華岡青洲の妻
華岡青洲の妻
內容介紹江戸後期、世界で初めて全身麻酔による手術に挑んだ紀州の名醫青洲。世界最初の全身麻酔による乳癌手術に成功し、漢方から蘭醫學への過渡期に新時代を開いた紀州の外科醫華岡青洲。 1956(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。
江戸後期、世界で初めて全身麻酔による手術に挑んだ紀州の名醫青洲。一人の天才外科醫を巡る嫁姑の凄まじい愛の爭奪。
世界最初の全身麻酔による乳癌手術に成功し、漢方から蘭醫學への過渡期に新時代を開いた紀州の外科醫華岡青洲。その不朽の業績の陰には、麻酔剤「通仙散」を完成させるために進んで自らを人體実験に捧げた妻と母とがあった――美談の裏にくりひろげられる、青洲の愛を爭う二人の女の激越な葛藤を、封建社會における「家」と女とのつながりの中で浮彫りにした女流文學賞受賞の力作。
有吉佐和子(1931-1984),和歌山生れ。東京女子大短大卒。1956(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。代表作に、紀州を舞台にした年代記『紀ノ川』『有田川』『日高川』の三部作、一外科醫のために獻身する嫁姑の葛藤を描く『華岡青洲の妻』(女流文學賞)、老年問題の先鞭をつけた『恍惚の人』、公害問題を取り上げて世評を博した『複合汚染』など。理知的な視點と旺盛な好奇心で多彩な小説世界を開花させた。